角食パンを作った際に、焼成で上手く膨らまず角が出なかった経験ありませんか?
酷い場合、生地のトップが型フタまで届かず上だけ真っ白な山食パンになってしまう、なんてことも…
今回は角食パンの角が上手く出ない原因と対処法について解説します!
角が出ない原因は大きく分けて2つ!
角食パン作りで上手く膨らまず角が出ない原因は、大きく分けるとズバリ二つです。
- 二次発酵不足であること
- ガス保持力が弱い生地であること
それぞれ詳しく見ていきましょう。
二次発酵不足の場合
材料やレシピ、生地作りなど全て問題が無い、にも関わらず上手く膨らまなかった場合は単純に二次発酵が不足していた可能性が高いです。
実は角食パンの二次発酵ってかなり難易度が高いです。
不足すると角が上手く出ませんし、かといってほんの数分オーバーすると逆にカクカクになってしまい、耳の歯切れが悪いパンになってしまいます。
膨らみ具合の目安は”型の7割程度まで”とよく言われていますが、これはあくまで基本的な配合の食パンの場合であって、実際にはレシピによって最適な膨らみ具合は異なります。
初めて作るレシピの場合は一発で成功することは稀です。何回かテストベイクして最適タイミングを探りましょう。
発酵不足で窯伸びが悪くなる理由
成形作業では生地に圧力がかかるため、グルテン組織が強化され生地のコシが強くなります。
コシが強いからこそ上に大きく膨らむための支えになるのですが、強すぎると生地が硬く膨らみにくいです。
これは風船で例えると新品で硬く膨らませにくい風船のような状態です。
そのため二次発酵で程よくコシを弱めて、柔らかく膨らませやすい生地にする必要があるわけです。手でよく伸ばして膨らませやすくなった風船ですね。
発酵が進むとなぜ生地が柔らかくなるのか?
生地内ガスが増えてエアリーになるだけでなく、発酵で生成される微量のアルコールはグルテンを柔らかくするからです。これはお肉を料理酒に漬けると柔らかくなるのと同じですね。
ガス保持力が弱い生地である場合
パン生地は粉のグルテン量など様々な要因でガス保持力に差があります。
よくある失敗例としては、
- レシピの強力粉を国産小麦に変えた
- ココアパウダーを加えた
- イーストを自家製発酵種に変えた
といったアレンジで窯伸びが悪くなり角がうまく出ないパターンが挙げられます。
また、単純にこね不足によりガス保持力が弱いケースも非常に多いです。
どんな要因がガス保持力に影響を与えるのかについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ここではガス保持力が弱い生地の一例と対処法をお伝えします。
例えば「カメリヤ」を使うレシピにおいて粉だけ「ゆきちから(国産小麦)」に変えた場合、グルテン量が少なくなります。
すると、どんなに十分なこね具合に生地を作ったとしても、ガス保持力が劣るので膨らみの最大が小さくなる。
こんな時は生地量を増やしましょう。
もちろん他の要因でガス保持力が低下している場合も同様に生地量を増やすのがベストです。
イーストで作る基本的な食パンの生地量は1斤440gが一般的ですが、ガス保持力の弱い生地だと440gだけだと同じ大きさにまで膨らむことは難しいのです。
例え最終発酵をレシピより長くしても、今度は発酵オーバーで更にガス保持力が低下するので、どちらにせよ目標の大きさにまで膨らむことが出来ない場合が多いです。
「この生地のガス保持力はどのくらいだろう?」
それをイメージ出来るようになることで、その生地に最適な生地量を予測することが出来るようになります。
※国産小麦と一言で言っても、銘柄によってグルテン量の多いものもあれば少ないものもあります。「強力粉」と謳われていても鵜呑みにせずたんぱく量を確認しましょう。実際に作ってみて生地感を体感することも大事です。
まとめ
角食パンは焼きあがってフタを外す瞬間が一番緊張感がありますよね。
蓋を外したら失敗だった…なんてショッキングな体験を減らすためにも、角食パンの角が上手く出ない原因をしっかり把握して、上手に焼ける確率を上げましょう!