パン作りで材料を置き換える際の計算方法大全

パン作り材料置き換え

水を牛乳に置き換えたり、砂糖をハチミツに置き換えたり…

色々アレンジしたいけど計算方法がわからない😢

ナオキパン
ナオキパン

そのお悩み、このページで全て解決できます!

パン作りではレシピ指定の材料を別のものに置き換える場合、水分量など成分の違いがあるため使用量を計算し直す必要があります。

計算方法がわからなかったり、わかっていても毎回成分率を調べるのは面倒です。

この記事ではパン作りで使われそうな材料の置き換え計算を網羅しました。レシピのアレンジに是非お役立てください!

水分の置き換え

水を別の液体に置き換えるケース

牛乳
豆乳

牛乳や豆乳などの液体は、100%が水分ではなく数割の固形成分が含まれており、そのまま同じ量で置き換えると水分不足となり生地が硬くなったりします。

ここでは水を他の液体材料に置き換える際の計算方法をご紹介します。

水→牛乳

一般的な牛乳の成分割合は、「水分88%+その他12%」です。

70gの水を全量牛乳に置き換える場合は以下の計算になります。

70g ÷ 0.88 = 79.5g
(水g ÷ 牛乳水分率 = 置き換え牛乳g)

これで大体同じくらいの生地感になりますが、注意すべき点としては発酵力がやや弱まることです。

その理由は、牛乳の緩衝作用により生地のpHが下がりづらくなるから。

パン生地は発酵が進むにつれてpHが下がっていき酵母菌が活発になる弱酸性へと近づいていくものなのですが、牛乳の使用によってその作用が抑えられてしまうのです。

なので発酵具合のチェックは欠かさず行い、必要に応じて発酵時間を延長するよう調整して下さい。

ナオキパン
ナオキパン

特に微量イースト系レシピや自家製酵母系レシピにおいては発酵力低下が顕著に感じられる気がする…

水→豆乳

豆乳を常備している家庭も多く、水や牛乳の代わりに豆乳でパン作りをしたい方も多いでしょう。

水の全量を豆乳に置き換えたいところですが、そのように生地を作るとグルテン形成が阻害され膨らみが極端に悪いパンが出来てしまいます。

水を豆乳に置き換えるなら全量ではなく多くても半量までに抑えることを推奨します。

また、パン作りに使うなら余計なものが入っていない無調整豆乳の使用を推奨します。

一般的な無調整豆乳の成分割合は、「水分90.8%+その他9.2%」です。

ここでは水70gのうち半量の35gを豆乳に置き換えてみましょう。

35g ÷ 0.908 = 38.5g
(水g ÷ 豆乳水分率 = 置き換え豆乳g)

理論上はこのようになりますが、実際のところ豆乳生地は硬くなる傾向にありますので、計算よりも多く入れた方が良かったりもします

使う豆乳と水の割合や粉の種類などによってもどれだけ増やすべきか変わってきますので、生地感を確かめながら都度足し水をした方が良いでしょう。

水→アーモンドミルク

水の代わりにアーモンドミルクでパンを作るのも独特な風味を楽しめてオススメです。

アーモンドミルクは100%が水分というわけではありませんが、水と同量で作った方が生地感は同じ程度になります。

逆に水分率を揃える計算で作ると生地が緩くなります。

豆乳のようにグルテン形成を阻害したり生地を硬くすることは無いため、水の全量を置き換えて差し支えありません。

水→オーツミルク

オーツミルクでパンを作る際も、アーモンドミルクと同様に水と同量で作るのが良いでしょう。

こちらも水の全量を置き換えて構いません。

水→麦茶、紅茶など

水の代わりに麦茶でパンを作って麦の香ばしさを取り入れる手法もよく見かけます。

これらの置き換えも水と同量で構いません。

水→全卵

卵には水分だけでなくたんぱく質や脂質など様々な成分が含まれています。

そのため水を卵に置き換えたい場合、やはり水分率を考慮して調整する必要があります。

ですが、仮にレシピの総仕込み水量が70gだったとして、その全量を卵に置き換えることは実質出来ません。

あくまで一部を卵に置き換えて残りを水(又は牛乳など)で作ることになります。

とはいえ卵の場合は「水の代わりに置き換える」という考え方ではなく、「どれぐらい卵の効果を得たいのか?そのためにどのくらい卵を使いたいのか?」と考えて、結果として増えてしまう卵の水分を仕込み水から差し引きます。

【水70gのレシピで全卵を10g使用したい場合】

全卵10gに含有される水分量を計算
10g × 0.761 = 7.6g
(全卵g × 全卵水分率 = 全卵含有水分量g)

仕込み水から含有水分を差し引く
70g – 7.6g = 62.4g

「全卵10g、水62.4g」に置き換えればOK

この計算でレシピの総水分量は同じに揃えることが出来ますが、生地感が同じになるわけではありません。

というのも、卵を増やすとミキシングにおける生地の形成が遅れるため、特に手ごねだと捏ねはじめのべたつきが強く感じられ、かつ必要な捏ね時間も長くなります。

普段と同じ時間捏ねたのにベタつきが収まらない…なんてケースはよくあります。

そしてそれは卵の分量が多いほど顕著になります。

初めて作る配合では、仕込み水の全量を一度に入れるのではなく一部を別に残しておき、捏ねながら様子を見て加えるようにした方が良いでしょう。

そして最終的に何グラムの水を入れられたかをメモしておき、次回はその数値を活用すればいいのです。

水→卵黄

水を卵黄に置き換える場合も上記全卵のケースと全く同じ考え方です。

全量を卵黄に置き換えることは出来ませんし、使いたい卵黄量を先に考えてからそれによって増えてしまう水分を仕込み水から差し引きます。

【水70gのレシピで卵黄を4g使用したい場合】

卵黄4gに含有される水分量を計算
4g × 0.482 = 1.9g
(卵黄g × 卵黄水分率 = 卵黄含有水分量g)

仕込み水から差し引く
70g – 1.9g = 68.1g

「卵黄4g、水68.1g」に置き換えればOK

こちらも全卵と同様に同じ生地感になるわけではありません。

その上、卵黄には脂質が多く含まれており、つまり卵黄を配合するということは油脂をミキシングの最初から投入するのと同じことで、それだけ生地のグルテン形成は阻害されるということ。

使用量が多い程ミキシング初期のベタつきは強くかつ長く続くでしょう。

牛乳を別の液体に置き換えるケース

牛乳→水

牛乳の代わりに水でパンを作る場合は、同量で作ってしまうと生地が緩くなってしまいます。

牛乳は88%の水分と12%の固形分で出来ているからです。

80gの牛乳全量を水に置き換えてみましょう。

80g × 0.88 = 70.4g
(牛乳g × 牛乳水分率 = 置き換え水g)

牛乳→豆乳

牛乳の代わりに豆乳を使ってパンを作る場合、注意すべき点があります。

こちらでも述べた通り、生地仕込みに使う液体を全量豆乳で作ってしまうと膨らみが悪くなってしまいます。

もしレシピの仕込み液体が全量牛乳の場合は、そのうちの半量以下を豆乳に置き換え、残りの半分は水に置き換えるなど対策を推奨します。

この場合、まず牛乳の全量を水に置き換え、次に水の半量を豆乳に置き換えます。

① 80g × 0.88 = 70.4g
(牛乳g × 牛乳水分率 = 置き換え水g)

② (70 ÷ 2)g ÷ 0.908 = 38.5g
(水の半量g ÷ 豆乳水分率 = 置き換え豆乳g)

もし元から仕込み液体の半分以下を牛乳で作るレシピだった場合は、そのまま牛乳の分だけ豆乳に置き換えれば良いでしょう。

ただし、やはり牛乳に比べて生地が硬くなる傾向にあるため、足し水の用意はしておきましょう。

牛乳→アーモンドミルク

アーモンドミルクは水と同量で作っても同じ程度の生地感になります。

そのため牛乳から水への置き換えと同じ計算で差し支えありません。

牛乳→オーツミルク

こちらもアーモンドミルクと同様に、牛乳から水への置き換えと同じで良いでしょう。

卵を水に置き換えるケース

卵アレルギーに対応したい場合や、卵が家に無い時など、卵不使用で作りたいタイミングもあるでしょう。

その場合、卵の全量を水に置き換えてしまうと水分過多になってしまう場合もあります。

まずは卵に含まれている水分量を把握して、レシピの総水分量が同じになるよう置き換えましょう。

【全卵10g、水50gのレシピの場合】

全卵10gに含まれる水分を計算
10g × 0.761 = 7.61g
(全卵g × 全卵水分率 = 全卵含有水分量g)

仕込み水に加算
50g + 7.61 = 57.6g
(仕込み水g + 全卵含有水分量g = 調整後仕込み水量g)

「水57.6g」に置き換えればOK

ただし、これもやはり総吸水量は同じになっても生地感が同じになるわけではありません。

卵自体がベタベタする性質のものであること、加えて生地のグルテン形成を遅らせる性質であるため、それらの作用が排除されるわけですから当然生地感は変わります。

卵黄に含まれる脂質成分の効果も無くなるため、元の生地よりやや硬くなる可能性が高いでしょう。

必要に応じて水を足したり、あるいは油脂を増やすなどして、望む生地感になるよう調整しましょう。

乳製品の置き換え

スキムミルクを使うか否か

スキムミルク
牛乳

レシピでわざわざスキムミルクの使用を指定されるのはパンレシピくらいですから、なかなかご家庭で常備している方もそう多くないでしょう。

逆に、牛乳を飲むとお腹を壊すから牛乳は常備していないけれどパン作りのためにスキムミルクは買ってある方もいるでしょう。

パン作りにおけるスキムミルクや牛乳の効果は主に焼き色とそれに伴う焼成香、それから必須アミノ酸リジンの補給。

ソフトクリームのような濃厚なミルクフレーバーをパンに付与することは期待されていないし出来ないです。

そのため牛乳とスキムミルクはお互いに代用し合ってもさほど違いが気になりません。

ここではスキムミルクと牛乳をそれぞれ置き換える際の考え方と計算方法をご紹介します。

スキムミルクを使わず牛乳で代用するケース

家にスキムミルクは無い、パン作りの頻度もそんなに多くないからわざわざ買いたくない、けど牛乳ならある。

そんなご家庭も多いでしょう。

スキムミルクの代わりに牛乳を使ってパンを作る際は、以下のような考え方になります。

【スキムミルク3g、水70gのレシピの場合】

スキムミルク3gは脱脂乳30g分に相当(ちょうど10倍量

このレシピを言い換えると「脱脂乳30g + 水43g」となる
(脱脂乳30g=スキム3g+水27g、残りの水が70-27=43g)

牛乳30g + 水43gに置き換え

厳密に言うと脱脂乳には乳脂肪が含まれておらず、対して牛乳には含まれているため水分量は微妙に異なりますが、作る上ではこの置き換え計算で十分に対応できます。

牛乳をスキムミルクで代用するケース

普段牛乳を飲まないから常備していないけど、パン作り用にスキムミルクを置いているご家庭もあるでしょう。

牛乳をスキムミルクで代用する考え方はこのようになります。

【牛乳30g、水43gのレシピの場合】

牛乳30gを脱脂乳30gで代用すると仮定

脱脂乳30g=スキムミルク3g+水27g
(脱脂乳の1割がスキムミルク(固形分)で残りの9割が水分と考える)

スキムミルク3gと水(43+27)gに置き換えることになる

ナオキパン
ナオキパン

スキムミルク:水=1:9で脱脂乳が作れる、と覚えておきましょう!

異なる脂肪率の生クリームを使うケース

高級食パン

生食パン(生クリーム食パン)のブームによって生クリームを生地に練り込むレシピも広く見られるようになりました。

しかし生クリームは脂肪率の異なる商品があるため注意が必要です。

ここではレシピに指定されている脂肪率とは異なる商品を使う場合の置き換え方法をご紹介します。

水分は仕込み水の量を調整すればどうにでもなりますが、脂肪率が変わるとパンの質感も大きく変わってしまうため、考え方としては脂肪量を同じ数字に揃えて使います。

乳脂肪35%生クリームに含まれている成分はこちら。

  • 脂肪:35.6%
  • 無脂固形分:5.4%
  • 水分:59%

対して乳脂肪47%生クリームに含まれている成分はこちら。

  • 脂肪:47.0%
  • 無脂固形分:4.6%
  • 水分:48.4%

それぞれの置き換え方法を見ていきましょう。

35%生クリーム→47%生クリーム

【脂肪分35%生クリーム20g、水60gのレシピの場合】

20g × 0.356 = 7.12g
(生クリームg × 生クリーム脂肪率 = 含有脂肪分g)

このレシピは生クリームから7.12gの脂肪分を得ていることが判明

47%生クリームを何g使えば7.12gの脂肪が得られるか?
7.12g ÷ 0.47 = 15.1g
(含有脂肪分g ÷ 47生クリーム脂肪率 = 47生クリーム使用量g)

そこに水分は何g含まれているか?
15.1g × 0.484 = 7.3g
(47生クリーム使用量g × 47生クリーム水分率 = 含有水分g)

35%生クリーム20gには11.8gの水分が含まれていた
(20g × 0.59 = 11.8g)

よって足りない水分量は4.5g
(11.8g – 7.3g = 4.5g)

仕込み水に足りない水分を足すと64.5g
(60g + 4.5g = 64.5g)

よって「脂肪分47%生クリーム15.1g、水64.5g」に置き換えればOK

47%生クリーム→35%生クリーム

糖分の置き換え

砂糖を別の糖分に置き換えるケース

上白糖
きび砂糖

パンのレシピで使われる砂糖は上白糖を指定されていることが一般的です。

上白糖の代わりに他の砂糖を使う場合、何も気にせず同量置き換えで問題ない場合とそうでない場合があります。

それぞれのケースを見ていきましょう。

上白糖→グラニュー糖

上白糖の代わりにグラニュー糖でパンを作る際は、同量でそのまま置き換えて作って差し支えありません。

むしろ、上白糖が一般的に使われるのは日本特有のことで、海外ではグラニュー糖がメインで使われているケースが多いのです。

「上白糖の方がしっとりして、グラニュー糖の方がサックリする」

なんて言い伝えはありますが、パン生地におけるその差は全くと言っていいほどわからないでしょう。

少なくとも目隠しして食べ比べしたら、わかる人は神舌の持ち主かもしれません(笑)

上白糖→三温糖

上白糖を三温糖で代用する場合も、同量で置き換えて構いません。

三温糖にはカラメル成分が含まれているため、ほんの少しだけ生地の香りに差が出ますが、どちらが優れているというものではなく好みの問題です。

上白糖は無臭のため他の素材の風味をダイレクトに活かせるし、三温糖は粉臭さをマスキングすることが出来ますし、逆にカラメル香と相乗効果が期待できる粉もあるでしょう。

とはいえ意識して食べ比べないと正直違いはわからないでしょう。

上白糖→ブラウンシュガー(きび砂糖、てん菜糖など含む)

上白糖の代わりにきび砂糖など茶色い砂糖で置き換えて作る際も、基本的には同量で構いません。

しかし甘味の感じ方はやや弱くなる傾向です。

特にてん菜糖は多糖類であるオリゴ糖の割合が比較的多くなるので、二糖類で成り立つ上白糖よりも優しい甘味となります。

粒が大きい製品もあるため、場合によっては水に溶かして使うなど工夫しましょう。

一般的にスーパーでよく見る「きび砂糖®」はクセのないあっさりした風味ですが、「きび和糖」や「赤糖」などメーカーによって個性が大きく異なるため、こだわれば風味の差を生み出すことも可能です。

砂糖の使用量が3%以下と少ないレシピほど、てん菜糖での代用で発酵力が若干低下する恐れもあります。発酵具合のチェックをしながら作り進めましょう。

上白糖→ハチミツ

ハチミツは8割の糖分と2割の水分で出来ています。

そのため上白糖をハチミツに置き換えて作る場合、同じ糖分量になる使用量を算出した後にそこに含まれる水分量を仕込み水から減らす必要があります。

【上白糖6g、水70gのレシピの場合】

6g ÷ 0.8 = 7.5g
(上白糖g ÷ ハチミツ糖分率 = ハチミツ使用量)

ハチミツ7.5g = 6.0gの糖分&1.5gの水分
なので…

70g – 1.5g = 68.5g
(仕込み水g – ハチミツ水分量 = 実際に使う仕込み水の量)

「ハチミツ7.5g、水68.5g」に置き換えればOK

単純計算ではこのようになりますが、これが成り立つのは元々の砂糖量がさほど多くない場合と考えて下さい。

ハチミツの糖分は単糖類、上白糖は二糖類。

水に溶けた状態でも前者の方が後者よりも流動性が高いのです。よってその性質はパン生地にも反映されやや緩い生地になります。

その上、生地の浸透圧も大きく変わるため発酵力に影響が出ます。

様々な理由が絡み合うため菓子パン生地のように糖分量の多い生地では注意が必要です。

ナオキパン
ナオキパン

使うハチミツの種類によっても風味の出方が全然違うよ

上白糖→メープルシロップ

メープルシロップでパンを作ると特有の暖かな風味が感じられるためオススメですが、水分量が多くなるため仕込み水の量を調整する必要があります。

メープルシロップの成分割合は、66.3%が糖分で残りが水分です。

【上白糖6g、水70gのレシピの場合】

6g ÷ 0.663 = 9.0g
(上白糖g ÷ メープルシロップ糖分率 = メープルシロップ使用量g)

メープルシロップ9g = 糖分6g&水分3g
なので…

70g – 3g = 67g
(仕込み水g – メープルシロップ水分量 = 実際に使う仕込み水の量)

メープルシロップの良いところは、ハチミツと違って含まれる糖分の種類がショ糖(二糖類)であること。

多量使用でも置き換え計算さえしっかりやれば、生地感や発酵力に大きな誤差は生じないでしょう。

上白糖→加糖練乳

最も強いミルクフレーバーを生地に付与できることから人気のある練乳。

加糖練乳には乳成分、水分、そして製造時に加えられたショ糖成分が含まれています。

ここで注意するのは糖分量のうちショ糖成分の割合だけを考える点です。

乳成分に含まれる糖分は主に乳糖、つまり酵母菌による発酵で消費されない糖分であり、これはスキムミルク的な役回りと考えるべきです。

そのため上白糖から置き換える際は、ショ糖成分量で数字を揃えることが重要です。

その上で水分量を計算して仕込み水から差し引きます。

【上白糖6g、水70gのレシピの場合】

6g ÷ 0.442 = 13.6g
(上白糖g ÷ 加糖練乳ショ糖率 = 加糖練乳g)

加糖練乳13.6gに含まれる水分は?
13.6g × 0.257 = 3.5g
(加糖練乳g × 加糖練乳水分率 = 含有水分量g)

仕込み水からその水分を差し引く
70g – 3.5g = 66.5g

「加糖練乳13.6g、水66.5g」に置き換えればOK

練乳は牛乳を煮詰めたもの。牛乳に含まれる糖分の99.8%は乳糖(ラクトース)。酵母菌の発酵では消費されないだけでなく、甘味度も砂糖の16%程度。

ハチミツを別の糖分に置き換えるケース

ハチミツ→上白糖

ハチミツは8割の糖分と2割の水分が結合しているものなので、レシピ調整をせずに置き換えてしまうと水不足&糖分過多になります。

そのためまず糖分量を計算して砂糖量を決め、その後水分量も計算して不足する分を足してあげます。

【ハチミツ10g、水65gのレシピの場合】

ハチミツに含まれる糖分量を計算する
10g × 0.8 = 8g
(ハチミツg × ハチミツ糖分率 = ハチミツ含有糖分量)

ハチミツに含まれる水分量を仕込み水に足してあげる
10g × 0.2 = 2g
(ハチミツg × ハチミツ水分率 = ハチミツ含有水分量)

65g + 2g = 67g
(元の仕込み水量g + ハチミツ含有水分量g = 調整後仕込み水量)

「上白糖8g、水67g」に置き換えればOK

ハチミツ→メープルシロップ

ハチミツの代わりにメープルシロップでパンを作りたいなら、まずハチミツを上白糖に代用変換する計算をしましょう。

その後、上白糖からメープルシロップへ置き換えます。

当然、元のレシピの総水分量を計算しておいて、メープルシロップに変えたことで過剰になる水分を差し引く必要があります。

【ハチミツ10g、水60gのレシピの場合】

ハチミツ10gに含まれる糖分は?
10g × 0.8 = 8g
(ハチミツg × ハチミツ糖分率 = 含有糖分量g)

含まれる水分は?
10g × 0.2 = 2g
(ハチミツg × ハチミツ水分率 = 含有水分量g)

このレシピの糖分量は8gで水分量は62gであることがわかった。

メープルシロップを何g使えば8g糖分量を確保できるか
8g ÷ 0.663 = 12g
(糖分量g ÷ メープルシロップ糖分率 = メープルシロップ使用量g)

メープルシロップの水分量を仕込み水から差し引く
12g × 0.33 = 3.96g
(メープルシロップ使用量g × メープルシロップ水分率 = 含有水分量g)

62g – 3.96g = 58g
(レシピの総水分量g – メープルシロップ含有水分量g = 調整後仕込み水量)

「メープルシロップ12g、水58g」に置き換えればOK

油脂の置き換え

無塩バターを有塩バターで代用する

どうしても無塩バターが手に入らなくて有塩バターでパンを作りたい場合、有塩バターに含まれる塩分量を計算して元の食塩量から差し引く必要があります。

【無塩バター20g、食塩1.8gのレシピの場合】

無塩バター20gを有塩バター20gに置き換える

有塩バター20gに含まれる塩分量は?
成分表の「食塩相当量」を確認する
※ここでは食塩相当量1.5g(100gあたり)の商品と仮定する

塩分率は1.5%と判明
20g × 0.015 = 0.3g
(有塩バターg × 塩分率 = 含有塩分量g)

元の食塩量から差し引く
1.8g – 0.3g = 1.5g

「有塩バター20g、食塩1.5g」に置き換えればOK

これはあくまで簡便式の計算であり、厳密に言えば脂肪分に誤差が生じてしまいます。

ですが、塩分は微量の誤差が生地の発酵力等に影響を及ぼす一方で、脂肪分の微量誤差はさほど大きな影響を及ぼさないのも事実です。

よって、無塩バターを有塩バターに置き換える計算はこの簡便式で十分通用すると言えます。

固形油脂から液体油脂に置き換えるケース

液体油脂を使う場合はその量の分だけ仕込み水量を減らすという考え方が一般的です。

その理由は生地に混ぜ込む液体が多いほど生地は緩くなるからです。

しかし、それはあくまで同じくらいの生地感に作り上げたい場合の話です。

水を減らせばしっとり感は劣ります。老化も早くなります。

それを防ぐためにあえて作業性を犠牲にしてでも水を減らさず作る考え方もあります。

とはいえ、どんなに腕に自信があるからといって生地のコシが弱くなりすぎて焼き上がりの形状や食感に悪影響が出すぎても本末転倒です。

この辺の塩梅は作るパンの種類や自分の腕前など、様々なポイントで正解が変わってくるでしょう。

なのでここでは「ケースバイケース」として、計算方法を明言することは控えさせていただきます。

この記事を書いた人
パン作り研究家
ナオキパン

当サイト及びYoutubeチャンネル「パン作りの教科書 / ナオキパンchannel」を運営。
パン作りのコツや製パン理論を科学的な観点からわかりやすく解説し、パン作り上達の楽しさを広めることに加え、正確な製パン情報の普及に努める。
ベーカリーや食パン専門店など数々のパン店立ち上げや現場責任者の経験有。
自律神経失調症によりパン業界を一時離脱した際に、自身の知識と経験が誰かの役に立つことを願い、2022年5月から本格的に情報発信活動を開始(現在は寛解しゆる~く復帰)。
パンシェルジュ一級。

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